第5番「秋篠寺」市井にひっそりとある宝石のような寺(奈良県奈良市)

住所:奈良県奈良市秋篠町757 TEL:0742-45-4600
拝観料:500円 駐車場:
拝観時間:9時30〜16時30分
アクセス:近鉄大和西大寺駅奈良交通バス72号系統押熊行き、秋篠寺バス停下車

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正式名:
山号:なし
宗派:単立
本尊:薬師如来
開基:善珠(伝)、光仁天皇勅願
寺格:
創建年:奈良時代末期
別称:

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境内の雑木林の緑の深さ。木々の下に一面に敷きつめられたような艶やかな苔。これが、話に聞いていた秋篠寺の「苔庭」である。この雨に濡れた美しい苔を見られただけでも来たかいがあった。この”苔の海”は空前絶後の美しさだ。
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創建当時の秋篠寺は、規模も大きく、東西二つの塔や金堂など数々の建物がある壮麗な寺だった。その本堂のなかに、本尊の薬師如来をはじめ、多くの御仏たちがいらっしゃる。明治以降、秋篠寺は浄土宗に属していたこともあったが、現在は単立の宗教法人になっている。鎌倉時代以降、霊水がわくこの井戸と「大元師御修法」の本尊である大元師明王が秋篠寺の信仰の中心だったらしい。明治4年(1871)まで約千年にわたって、正月にここで汲まれた水が朝廷へ運ばれたという。秋篠寺は「禁裏御香水所」だったのである。そのため、皇室との深い関係がつづいた。皇族の「秋篠宮家」の宮号も、秋篠寺に由来するらしい。
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本堂の御仏たちを拝した。この寺は「伎芸天のおわす秋篠寺」とも呼ばれている。中央は秋篠寺の本尊の薬師如来坐像。ふっくらとしたお顔で、自信に満ちた目でこちらをご覧になっている。その両側には日光・月光菩薩。さらに左右に群像が並んでいる。梵天帝釈天愛染明王不動明王十二神将地蔵菩薩など。左端に立つ優美な像。それが伎芸天だった。伎芸天は、大自在天の髪際から化生したといわれる天女である。容姿端正で、福徳・伎芸を守護する。伎芸天の像は中国で多く見られるが、日本では秋篠寺にしか存在しないという。
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ここの苔の美しさも、極楽浄土を思わせるようだった。しかし、ひときわ私の気持ちを惹きつけたのは、やはり伎芸天だった。言葉を超えて、こころとこころが響きあうようなものを感じたのである。(百寺巡礼:五木寛之より)
 
未訪寺