【失踪者】この結末、仰天からの”号泣”!空白の10年、氷漬けになっているはずの親友は年老いていた。

【失踪者】(空白の10年。氷点下に閉ざさなければならなかった、謎に包まれし親友の”秘密”とは!) 下村敦史(講談社文庫:780円) 

この結末、仰天からの”号泣”、傑作下村ミステリー感涙度No1!
十年前の転落事故でクレバスに置き去りにしてしまった親友・樋口を迎えに、シウラ・グランデ峰を登る真山道弘。しかし、氷河の底の遺体を見て絶句する。氷漬けになっているはずの樋口は年老いていたのだ!親友に何があったのか。真山は樋口の過去を追う。秘められた友の思いが胸を打つ傑作山岳ミステリー。
 
下村 敦史
1981年京都府生まれ。2014年に『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内部門2位、「このミステリーがすごい! 2015年版」国内編3位と高い評価を受ける。同年に発表した短編「死は朝、羽ばたく」が第68回日本推理作家協会賞短編部門候補に、『生還者』が第69回日本推理作家協会賞の長編及び連作短編集部門の候補となった。他の作品に『難民調査官』『サイレント・マイノリティ 難民調査官』の「難民調査官」シリーズ、『真実の檻』『失踪者』『告白の余白』『緑の窓口 樹木トラブル解決します』『サハラの薔薇』『黙過』がある。
 
2018年11月09日
ズバリ、帯にあるように傑作作品だった。感涙まではゆかなかったが、読み終えてからの胸に沁みる悲しさに涙とはまた違った感動を残してくれた作品だった。私にとって山と男の友情のダブル琴線はグイグイと没頭させられた。作風も現在・過去と実に旨く交錯し、全く飽きさせない。推理といってもある程度の読みができるものの、事実に近づくにつれその裏にある心の強い思いが、山岳小説だけに命を込めた確かさに思え感動に変わる。山岳小説といえば新田次郎であるが、それ以上と思わせるほどであった。そして私にとって、またいつか再度読み返したい所蔵書になった。

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